最終更新: 2026-07-10
政府統計(e-Stat 統計表ID: 0004003981、2020年実績)によると、三重県の清酒産出事業所はわずか18か所、清酒出荷金額は約29億円と、全国シェアの1%に満たない小さな酒どころです。その三重県から、2016年のG7伊勢志摩サミットで乾杯酒に選ばれ、世界にその名を知られるようになった日本酒があります。清水清三郎商店の「作(ざく)」です。「作を飲んでみたいけれど、値段の相場がわからない」「ネットで見ると価格がバラバラで、どれが定価なのか判断できない」と迷っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、作の全種類の値段を定価ベースで一覧比較し、プレミア価格を避けて適正価格で購入する方法、そして蔵人の視点から見た醸造技術の凄みまでを徹底解説します。基本情報、値段一覧、購入方法、飲み方の順にご案内しますので、読み終える頃には自分にぴったりの一本と、その正しい買い方がわかるはずです。
作(ざく)とは?鈴鹿市唯一の蔵が生んだ世界基準の日本酒

作は、三重県鈴鹿市に本社を構える清水清三郎商店株式会社が醸す日本酒ブランドです。創業は1869年(明治2年)、港町として栄えた若松村(現在の鈴鹿市若松)で酒造りを始めたのがルーツで、現在は鈴鹿市唯一の酒蔵となっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド名 | 作(ざく) |
| 醸造元 | 清水清三郎商店株式会社 |
| 所在地 | 三重県鈴鹿市若松 |
| 創業 | 1869年(明治2年) |
| 作の誕生 | 2000年(平成12年)11月 |
| 名前の由来 | 飲む人・提供する人とともに「作り上げる」酒 |
| 杜氏 | 内山智広氏 |
| スタイル | フルーティーで透明感のあるモダンタイプ |
| 主な受賞 | G7伊勢志摩サミット乾杯酒(2016年)、IWC2021「Sake Brewer of the Year」 |
作というブランドが立ち上がったのは2000年。日本酒の消費量が長期的に減少するなか、蔵の再興をかけて生み出された比較的新しい銘柄です。ブランド名には「お酒は蔵だけで完成するものではなく、飲む人や提供する人とともに作り上げていくもの」という思いが込められています。
転機となったのは2016年のG7伊勢志摩サミットです。シリーズ最高峰の「智(さとり)」が晩餐会の乾杯酒に採用され、作の名は一気に全国区となりました。さらに2021年には、世界最大級の酒類品評会IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で清水清三郎商店が「Sake Brewer of the Year(最優秀酒蔵賞)」を受賞。SAKE COMPETITIONでは純米酒部門で1位・2位を史上初めて独占するなど、国内外のコンペティションで実績を積み重ねています。
冒頭で触れたとおり、三重県は清酒の産地としては決して大きくありません。e-Stat(統計表ID: 0004003981、経済センサス‐活動調査、2020年実績)によると、三重県の清酒出荷数量は4,003klで、全国合計530,358klの1%未満です。小さな産地から世界的な評価を得る銘柄が生まれた背景には、後述する徹底した品質管理の思想があります。
作の値段一覧|全種類の定価を比較

作の値段を理解するうえで、まず知っておきたいのが「750mlボトル」という独特の容量です。一般的な日本酒の4合瓶は720mlですが、作はワインボトルと同じ750mlを主力容量として採用しています。海外のレストランでワインと同じように扱われることを意識した、作らしいこだわりです。
主要銘柄の定価一覧(2026年7月時点・税込参考価格)
| 銘柄 | 特定名称 | 750ml | 1800ml | 味わいの特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 玄乃智(げんのとも) | 純米酒 | 約1,980円 | 約3,960円 | 協会7号酵母使用。香り控えめで米の旨味豊か、食中酒の決定版 |
| 穂乃智(ほのとも) | 純米酒 | 約1,980円 | 約3,960円 | 果実を思わせる香りとすっきりした後口 |
| 恵乃智(めぐみのとも) | 純米吟醸 | 約2,090円 | 約4,180円 | 華やかさとキレのバランスがよい看板銘柄 |
| 奏乃智(かなでのとも) | 純米吟醸 | 約2,475円 | 約4,950円 | 香り穏やか、シャープでドライな後口の食中酒タイプ |
| 雅乃智(みやびのとも) | 純米吟醸 | 約2,475円 | 約4,950円 | 山田錦の上品な甘みと透明感 |
| 雅乃智 中取り | 純米大吟醸 | 約2,915円 | 約5,830円 | もろみの中間部分のみを使った雑味のない味わい |
| 智(さとり) 滴取り | 純米大吟醸 | 約36,300〜38,115円 | — | サミット乾杯酒。袋吊りの滴のみを集めた最高峰 |
このほかに「インプレッション」シリーズ(搾ったばかりの原酒を瓶内で火入れし、微発泡感を残したタイプ)や、季節・数量限定品が不定期にリリースされます。限定品は取扱店や時期によって価格が変動するため、購入時に特約店で確認するのが確実です。
なお、上記はいずれも参考価格です。2025年10月に価格改定が行われた銘柄もあり、店舗や時期によって数百円程度の差が出ることがあります。
値段を見るときの注意点:プレミア価格と定価の乖離
作は人気銘柄のため、ネット通販やフリマサイトでは定価を大きく上回る価格で転売されているケースがあります。特に智(さとり)や限定品は、定価の1.5倍以上の値付けを見かけることも珍しくありません。
プレミア価格での購入は、金銭面だけでなく品質面でもおすすめできません。日本酒は温度管理が命であり、正規流通を外れた商品は保管状態が保証されないからです。十四代や獺祭といったプレミア銘柄と同様、作も「正規特約店で定価購入」が鉄則です。
なぜ作は定価で買いにくい?特約店制度と賢い買い方
作の流通には「特約店制度」が採用されています。清水清三郎商店と直接取引契約を結んだ酒販店のみが正規品を仕入れられる仕組みで、品質管理の行き届いた店だけに流通を限定することで、蔵を出てから消費者に届くまでの品質を守っています。
定価で購入する3つのルート
| 購入ルート | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 正規特約店(実店舗) | 冷蔵管理された正規品を定価で購入できる。限定品の入荷情報も得やすい | 近隣に特約店がある人、限定品を狙う人 |
| 特約店の公式オンラインショップ | 三重県内外の特約店がネット販売を実施。定価ベースで購入可能 | 近隣に特約店がない人 |
| 百貨店の酒売場 | 主要都市の百貨店で取り扱いあり。ギフト包装に対応 | 贈答用に購入する人 |
特約店は清水清三郎商店の公式サイトから確認できます。玄乃智や穂乃智などの定番銘柄は比較的安定して流通しているため、焦って高値の転売品に手を出す必要はありません。一方、智や限定品は入荷数が少なく「御一人様1本限り」といった制限が付くこともあります。どうしても欲しい銘柄がある場合は、特約店に入荷時期を問い合わせておくのが確実です。
筆者が酒販店の店頭で作を購入した際、店主から「作は必ず冷蔵庫で保管してください」と念を押されたのが印象的でした。後述するように、作は火入れ酒でありながらフレッシュさを身上とする酒です。特約店がここまで温度管理にこだわるのは、蔵の思想が流通の末端まで共有されている証拠だと感じます。
蔵人が解説する作の醸造技術|値段以上の価値を生む3つのこだわり
作の値段は、玄乃智なら750mlで約1,980円と、実は決して高くありません。同クラスの人気銘柄と比べてもむしろ手頃な部類です。それでいて品評会で世界一を獲る品質を実現できる理由を、蔵人の視点から3つに分けて解説します。
1. 全量火入れで「生酒のようなフレッシュさ」を実現
作の最大の特徴は、生酒を一切出荷せず、全量を火入れ酒として出荷する方針です。生酒はフレッシュで美味しい反面、温度変化や時間経過に弱く、瓶の中で劣化して老香(ひねか)と呼ばれるオフフレーバーが出やすいという弱点があります。
清水清三郎商店は「品質が安定した火入れ酒で、搾りたてのようなフレッシュな味わいを実現する」ことを追求しています。搾ってから火入れまでの時間を極限まで短縮し、酒質の劣化要因を徹底的に排除することで、火入れ酒でありながら生酒と見紛うほどの瑞々しさを実現しているのです。火入れの仕組みを理解すると、この技術がいかに高度なものかがわかります。
2. 600〜800kgの小仕込みによる緻密な管理
作の仕込みは、1回あたり米600〜800kgという小さな単位で行われます。大手蔵では数トン単位の仕込みが一般的ですから、これはかなり小規模です。仕込み単位が小さいほど温度管理の精度が上がり、もろみの状態に合わせた細かな調整が可能になります。
小仕込みは手間がかかるぶん製造コストは上がりますが、作はこれを高価格に転嫁するのではなく、緻密な工程設計と設備投資で吸収しています。杜氏の内山智広氏と社長の清水慎一郎氏が20年以上二人三脚で酒質を磨き続けてきた結果が、「この品質でこの値段」という作のコストパフォーマンスに表れています。
3. 鈴鹿山系の水と伊勢平野の米
仕込み水には鈴鹿山系の伏流水を、酒米には山田錦や雄町に加えて伊勢平野で育つ地元産米を使用しています。精米歩合を磨き込んだ大吟醸クラスだけでなく、純米酒の玄乃智でも米の選定から一切妥協しないのが作の流儀です。
e-Stat(統計表ID: 0004028789、経済構造実態調査、2022年実績)によると、清酒(濁酒を含む)の全国出荷金額は約3,839億円。ビールの約9,210億円と比べると半分以下の市場規模ですが、そのなかで作のような地方の小規模蔵が世界的評価を獲得している事実は、日本酒業界の可能性を示しています。統計の詳細に興味がある方は、e-Statで統計表IDを検索すると原データを確認できます。
作のおすすめの飲み方|銘柄×温度帯の相性
作はフルーティーな香りと透明感が身上のモダンタイプなので、基本は冷酒がおすすめです。ただし銘柄によって最適な温度帯は異なります。
| 銘柄 | 冷酒(5〜10℃) | 常温(15〜20℃) | ぬる燗(40℃前後) |
|---|---|---|---|
| 玄乃智 | すっきり爽快 | 最適。米の旨味が開く | 旨味がふくらむ |
| 穂乃智 | 最適 | 果実味がやわらかに | — |
| 恵乃智 | 最適 | 香りが穏やかに変化 | — |
| 雅乃智 | 最適 | 甘みに丸みが出る | — |
| 雅乃智 中取り | 最適 | — | — |
| 智 | 10℃前後が最適 | — | — |
吟醸系(恵乃智・雅乃智・智)は冷やしすぎると香りが閉じるため、冷蔵庫から出して5〜10分置いた10℃前後が最も表情豊かです。一方、玄乃智は温度を上げても味が崩れない骨格があり、常温からぬる燗まで幅広く楽しめます。
料理との相性では、透明感のある酒質が和食全般と好相性です。白身魚の刺身や天ぷらには雅乃智、味噌や醤油を使った煮物には玄乃智、洋食やチーズにはインプレッションシリーズの微発泡感がよく合います。フルーティーな日本酒の楽しみ方も参考にしてください。
シーン別・予算別の選び方ガイド
| シーン | おすすめ銘柄 | 予算(750ml) | 選ぶ理由 |
|---|---|---|---|
| 作デビューの一本 | 恵乃智 | 約2,090円 | 作らしい華やかさとキレを両立した看板銘柄 |
| 毎日の晩酌 | 玄乃智 | 約1,980円 | 香り控えめで食事を邪魔しない、コスパ最良 |
| 週末のごほうび | 雅乃智 中取り | 約2,915円 | 3,000円以下で純米大吟醸の贅沢を味わえる |
| 大切な人への贈り物 | 雅乃智 / 智 | 約2,475円〜 | 知名度と品質を兼ね備え、贈答映えする |
| 辛口好きへの手土産 | 奏乃智 | 約2,475円 | シャープでドライなキレが辛口党に刺さる |
| 記念日・特別な日 | 智 滴取り | 約36,300円〜 | サミット乾杯酒の格別な体験 |
贈答用に選ぶ場合は、日本酒プレゼントの選び方の記事もあわせてご覧ください。作は750mlのワインボトル形状のため、ワイン用のギフトボックスが使える点も贈り物に向いています。
作の値段に関するよくある質問
Q1: 作で一番安い銘柄はいくらですか?
定番ラインで最も手頃なのは純米酒の玄乃智と穂乃智で、いずれも750mlあたり税込約1,980円です(2026年7月時点、2025年10月価格改定後)。2,000円を切る価格ながら、SAKE COMPETITIONの純米酒部門で上位入賞歴のある実力派です。日常の食中酒として十分すぎる品質といえます。
Q2: 作の最高級品はどれですか?値段はいくらですか?
シリーズ最高峰は純米大吟醸の智(さとり)滴取りで、750mlあたり税込約36,300〜38,115円です。精米歩合40%まで磨いた山田錦を低温発酵させ、袋吊りで自然に滴り落ちる部分だけを集めた希少酒で、2016年のG7伊勢志摩サミットで乾杯酒に採用されました。
Q3: 作はなぜネットで定価より高く売られているのですか?
人気に対して生産量が限られており、正規特約店以外の転売品にプレミア価格が付くためです。特に智や限定品は定価の1.5倍以上で出品されることもあります。品質管理の観点からも、正規特約店での定価購入をおすすめします。特約店は清水清三郎商店の公式サイトで確認できます。
Q4: 作の720mlと750mlは何が違うのですか?
作の標準ボトルは、一般的な日本酒の4合瓶(720ml)より30ml多い750mlです。これはワインボトルと同じ容量で、海外のレストランでワインリストに並ぶことを意識した設計です。値段を比較する際は、他銘柄の720mlより容量がやや多い点も考慮すると納得感があります。
Q5: 作に生酒はありますか?
ありません。作は全量火入れが方針で、生酒は一切出荷していません。生酒は劣化が早く品質が安定しないため、火入れによって品質を安定させつつ、搾りたてのようなフレッシュさを技術で実現するのが作の思想です。火入れ酒でありながら瑞々しい味わいは、むしろ作の最大の個性といえます。
Q6: 作と獺祭はどちらがおすすめですか?
好みによりますが、方向性が異なります。獺祭は山田錦の純米大吟醸に特化した華やかな甘みが特徴、作は透明感とキレを重視したモダンな酒質で、食中酒としての汎用性は作に分があります。値段帯は近いので、飲み比べて好みを見つけるのがおすすめです。
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まとめ:作は「定価で買えば」最高のコストパフォーマンス
作の値段について押さえておきたいポイントを整理します。
- 作は清水清三郎商店(1869年創業、三重県鈴鹿市唯一の酒蔵)が2000年に立ち上げたブランドで、G7伊勢志摩サミット乾杯酒やIWC最優秀酒蔵賞で世界的評価を確立している
- 値段は玄乃智・穂乃智の約1,980円から智の約36,300円超まで(750ml・税込参考価格)。定番ラインは2,000〜3,000円前後が中心で、品質を考えれば非常に手頃
- 標準ボトルはワインと同じ750ml。720mlの他銘柄と値段を比べる際は容量差にも注目
- 人気銘柄ゆえ転売品のプレミア価格が横行しているが、正規特約店なら定価で購入できる。品質面でも特約店購入が鉄則
- 全量火入れ・小仕込み・鈴鹿山系の伏流水という妥協のない造りが、値段以上の価値を生んでいる
まずは看板銘柄の恵乃智か、コスパ最良の玄乃智から試してみてはいかがでしょうか。日本酒の価格やスペックの読み解き方に興味がわいた方は、純米酒と大吟醸の違いで特定名称酒の基本を学ぶのもおすすめです。日本酒用語集では、滴取りや中取りといった専門用語をわかりやすく解説しています。
参考情報
- 清水清三郎商店株式会社 公式サイト(https://seizaburo.jp/)
- e-Stat 政府統計の総合窓口 統計表ID: 0004003981「経済センサス‐活動調査(2021年)清酒の都道府県別出荷数量・金額・事業所数(2020年実績)」
- e-Stat 政府統計の総合窓口 統計表ID: 0004028789「経済構造実態調査(2023年)品目別出荷金額(2022年実績)」
- SAKETIMES「三重県・清水清三郎商店『作』が、史上初めて『SAKE COMPETITION』純米酒部門で1位,2位を独占するに至った、二人三脚の歴史」(https://jp.sake-times.com/knowledge/sakagura/sake_g_zaku-shimizuseizaburo)
- 若松屋酒店「作(ざく) [日本酒]」商品一覧(https://wakamatsuyasaketen.com/zaku/)
- べんのや「作 智 純米大吟醸 滴取り 伊勢志摩サミット乾杯酒」(https://jizake-mie.jp/SHOP/zaku-satori-750.html)
- IMADEYA「作(ざく)│清水清三郎商店」(https://imadeya.co.jp/blogs/brewery/zaku)


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