「酒蔵の数はいくつ?」「都道府県で一番多いのはどこ?」──国税庁「酒のしおり」令和6年版によると、全国の清酒製造免許場数は1,536場(2022年時点)です。1956年のピーク時4,073場から約62%が廃業しました。
一方で2024年の輸出額は434.7億円(前年比105.8%)を突破し、輸出先は80ヵ国と過去最高を更新。2025年には国税庁が約50年ぶりの新規製造免許付与の検討を開始しており、業界は大きな転換点を迎えています。
この記事では国税庁・財務省の公的データをもとに、都道府県別の酒蔵数ランキング、清酒生産量、輸出額の推移を整理しました。業界研究、就職活動、蔵元の経営判断にブックマークしてご活用ください。
都道府県別の酒蔵数(蔵元数)ランキング
「日本酒の蔵元は県ごとにどれくらいあるのか」という疑問に、国税庁データで回答します。
| 順位 | 都道府県 | 酒蔵数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 新潟県 | 88場 | 蔵元数・1人あたり消費量ともに全国トップ |
| 2位 | 長野県 | 72場 | 信州の清冽な水と寒冷気候を活かす |
| 3位 | 福島県 | 67場 | 全国新酒鑑評会の金賞数で常に上位 |
| 4位 | 兵庫県 | 約65場 | 灘五郷の大手蔵を中心に集積 |
| 5位 | 山形県 | 約50場 | 出羽燦々・雪女神など独自酒米を展開 |
出典:国税庁「酒類等製造免許場数の推移」2021年度データ
新潟県は蔵元数で全国1位ですが、生産量では兵庫県に大きく差をつけられています。これは新潟が中小の地酒蔵中心、兵庫が大手蔵中心という産業構造の違いによるものです。
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清酒製造場数(酒蔵数)の推移
日本の酒蔵は長期にわたり減少を続けています。国税庁の統計から主要な転換点をまとめました。
| 年度 | 清酒製造免許場数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1956年(昭和31年) | 4,073場 | 戦後ピーク |
| 1980年(昭和55年) | 約3,000場 | 3,000場を割り込む |
| 1992年(平成4年) | 2,407場 | バブル崩壊後の淘汰加速 |
| 2004年(平成16年) | 約2,000場 | 2,000場を割り込む |
| 2022年(令和4年) | 1,536場 | 現在の最新値 |
出典:国税庁「酒のしおり」令和6年6月版 / 国税庁「清酒の製造状況等について」
平成元年と令和5年を比較すると、清酒製造場数は約4割減少しています。さらに1場あたりの販売(消費)数量はそれ以上に落ち込んでおり、約5割の減少となっています。
減少の主な要因は、国内の日本酒消費量の長期的な低下、後継者不足、そして原材料費・エネルギーコストの上昇です。ただし2025年には国税庁が清酒の新規製造免許付与に向けた規制緩和の検討を開始しており、新規参入の道が開かれる可能性があります。
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都道府県別の清酒生産量ランキング
清酒の生産量は地域によって大きく異なります。以下は国税庁の統計に基づく上位10道県です。
| 順位 | 都道府県 | 清酒生産量 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 兵庫県 | 133,866 kl | 灘五郷を擁し全国の約26%を生産 |
| 2位 | 京都府 | 73,178 kl | 伏見の名水と大手蔵が集積 |
| 3位 | 新潟県 | 39,071 kl | 蔵元数では全国1位 |
| 4位 | 秋田県 | 18,182 kl | 寒冷気候を活かした銘醸地 |
| 5位 | 埼玉県 | 16,862 kl | 首都圏の大規模蔵が多い |
| 6位 | 愛知県 | 16,363 kl | 味噌・醤油文化圏と共存 |
| 7位 | 福島県 | 12,200 kl | 全国新酒鑑評会の金賞数トップ常連 |
| 8位 | 広島県 | 9,695 kl | 軟水仕込みの発祥地 |
| 9位 | 山梨県 | 9,281 kl | ワインと並ぶ醸造県 |
| 10位 | 山形県 | 8,686 kl | 出羽燦々など独自酒米を展開 |
出典:国税庁「酒類製造業及び酒類卸売業の概況」/ とどラン「都道府県別日本酒生産量」
注目すべきは、生産量1位の兵庫県と蔵元数1位の新潟県が一致しない点です。兵庫県は大手蔵が大量生産を担い、新潟県は中小の地酒蔵が多数存在する構造の違いがあります。
日本酒の輸出額・輸出量の推移
国内市場が縮小する一方、海外市場は拡大を続けています。財務省貿易統計をもとに輸出動向をまとめました。
| 年度 | 輸出額 | 前年比 | 輸出量 | 前年比 | 輸出先国数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 434.7億円 | 105.8% | 3.1万kl | 106.4% | 80ヵ国(過去最高) |
| 2025年 | 約459億円 | 約106% | 約3.35万kl | 約108% | 過去最高を更新 |
出典:日本酒造組合中央会プレスリリース / 財務省貿易統計
2024年の国・地域別では、韓国が約37.5億円(前年比129.1%)で金額・数量ともに過去最高を記録。EU全体でも約27.2億円(前年比116.2%)と過去最高となりました。アメリカ市場も前年比125.9%増と大きく伸びています。
| 主要輸出先 | 2024年輸出額 | 前年比 |
|---|---|---|
| 中国 | 最大の輸出先 | 減少傾向 |
| アメリカ | 金額2位 | 125.9% |
| 韓国 | 約37.5億円 | 129.1% |
| EU全体 | 約27.2億円 | 116.2% |
2025年には輸出市場が600億円規模に達する可能性も指摘されています。業界で働くことを検討中の方は酒造りの求人・募集の探し方も参考にしてください。
エリア別の酒蔵・酒店データ(Google Maps調査)
主要な日本酒産地について、Google Maps上の酒蔵・酒店の評価データを独自に集計しました。
| エリア | 店舗数 | 平均評価 | 平均口コミ数 |
|---|---|---|---|
| 新潟県 | 32件 | 4.35 | 197.5 |
| 兵庫県 | 24件 | 4.14 | 488.5 |
| 秋田県 | 28件 | 4.23 | 65.8 |
| 山形県 | 27件 | 4.22 | 130.0 |
| 合計/平均 | 111件 | 4.23 | — |
出典:蔵人編集部調べ(Google Maps / Google Places API、2026年4月時点)
兵庫県は店舗数は少ないものの口コミ数が突出して多く、灘五郷の菊正宗・白鶴など知名度の高い蔵が観光客を集めていることがうかがえます。新潟県は平均評価が最も高く、地酒専門店の層の厚さが特徴的です。
日本酒業界の今後の注目ポイント
統計データから見える業界の今後のポイントを3つ整理します。
1つ目は新規製造免許の規制緩和です。2025年5月に国税庁が国家戦略特区ワーキンググループへ提出した資料で、清酒の新規製造免許付与に向けた検討が明らかになりました。実現すれば約50年ぶりの制度転換となり、クラフトSAKEの新規参入が加速する可能性があります。
2つ目は輸出市場の多角化です。従来は中国・アメリカが中心でしたが、韓国・EU・東南アジアへの輸出が急伸しています。輸出先80ヵ国という数字は、日本酒が世界的な嗜好品として定着しつつあることを示しています。
3つ目は酒蔵ツーリズムの成長です。エリア別データが示すように、酒蔵見学は高い評価を得ており、インバウンド需要との相乗効果が期待されています。
日本酒の発酵の仕組みとは?並行複発酵と三段仕込みを図解で解説では、醸造技術の基礎を詳しく解説しています。
よくある質問
Q1: 全国に酒蔵は何軒ありますか?
国税庁「酒のしおり」令和6年版によると、2022年(令和4年)時点の清酒製造免許場数は全国で1,536場です。ピーク時の1956年(4,073場)から約62%減少しています。
Q2: 酒蔵が一番多い都道府県はどこですか?
新潟県が酒蔵数全国1位です(2021年度時点で88場)。次いで長野県(72場)、福島県(67場)と続きます。一方、清酒の生産量では兵庫県が全国の約26%を占め1位となっています。
Q3: 日本酒の蔵元は県ごとに何軒ありますか?
都道府県によって大きく異なります。新潟県88場、長野県72場、福島県67場が上位です。東京都や大阪府にも数十場の蔵元が存在します。詳しくは本記事の都道府県別ランキングをご覧ください。
Q4: 日本酒の輸出額はどれくらいですか?
2024年の日本酒輸出額は434.7億円(前年比105.8%)で、輸出先は80ヵ国と過去最高を記録しました。2025年には約459億円に拡大しています。
Q5: 酒蔵数が減っている理由は何ですか?
主な要因は国内の日本酒消費量の長期的な低下、後継者不足、原材料費・エネルギーコストの上昇です。1956年の4,073場から2022年の1,536場へ約62%減少しました。ただし輸出市場は拡大しており、新規製造免許の規制緩和も検討されています。
Q6: このページのデータはどのくらいの頻度で更新されますか?
本ページのデータは定期的に更新しています。政府統計(国税庁「酒のしおり」等)は年1回の公表に合わせて、エリア別データ(Google Maps)は毎月、それぞれ最新値を反映しています。
Q7: データの出典は何ですか?
政府統計は国税庁「酒のしおり」「清酒の製造状況等について」、輸出データは財務省貿易統計・日本酒造組合中央会プレスリリース、エリア別データはGoogle Maps / Google Places APIをそれぞれ使用しています。
Q8: 酒蔵で働くにはどうすればいいですか?
蔵人として働くには、酒蔵の直接募集やハローワーク、各都道府県の酒造組合を通じた求人が主な入り口です。詳しくは[酒造りの求人・募集の探し方](https://kurabito.jp/sake/sakatsukuri-kyujin-boshu/)をご覧ください。
まとめ
本ページでは国税庁・財務省の公的データをもとに、日本酒・酒蔵業界の統計を整理しました。
国内の酒蔵数は1,536場まで減少していますが、輸出額は434.7億円を超え、輸出先は80ヵ国と過去最高を更新し続けています。新規製造免許の規制緩和が実現すれば、業界の構造が大きく変わる可能性があります。
データは定期的に更新していますので、ブックマークしてご活用ください。
参考情報
- 国税庁「酒のしおり」令和6年6月版(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2024/index.htm)
- 国税庁「清酒の製造状況等について」(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/seizojokyo/07.htm)
- 財務省貿易統計(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/yushutsu/yushutsu_tokei/index.htm)
- 日本酒造組合中央会 統計データ(https://www.japansake.or.jp/sake/about/data/index.html)
- e-Stat 政府統計の総合窓口(https://www.e-stat.go.jp/)


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