最終更新: 2026-10-19
酒六酒造(さかろくしゅぞう)は、愛媛県喜多郡内子町にある酒蔵だ。現在の代表・武知直之氏は、もともと東京の電機メーカーでエンジニアとして働いていた人物で、先代の娘との結婚を縁に蔵へ関わり、2010年に先代が急逝したことをきっかけに6代目として酒造りの世界に入った。この記事では、酒六酒造の基本情報と、武知氏の経歴・継承の経緯、代表銘柄「京ひな」の由来を一次情報に基づいて整理する。
酒六酒造とは?基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 愛媛県喜多郡内子町 |
| 創業 | 1920年(大正9年)、内子町・五十崎町・大洲市の8蔵が合併し「喜多酒造株式会社」として設立 |
| 社名変更 | 1941年(昭和16年)、酒井繁一郎氏が「酒六酒造株式会社」に改称・創立 |
| 代表銘柄 | 京ひな(きょうひな) |
| 現代表 | 武知直之氏(6代目) |
| 使用米 | 地元契約農家の酒米 |
| 仕込み水 | 小田深山渓谷から小田川に続く水系の水 |
| 酒蔵の特徴 | 創業時のままの木造蔵で全量手造り |
| 酒質の方向性 | 瀬戸内の食文化に合わせた辛口でキレの良い食中酒 |
出典: 酒六酒造公式サイト、sakeworld.jp(確認日: 2026-10-19)
武知直之氏の継承ストーリー:エンジニアから蔵元へ

NIHONMONOの報道によると、武知氏は大学卒業後、東京の電機メーカーでエンジニアとして働いていた。酒造りとは縁のない業種だったが、先代4代目・酒井冨士夫氏の娘である美佳さんと結婚したことで酒六酒造との関わりが生まれた。
転機は2010年だった。義父である4代目が急逝し、蔵の経営が悪化。「蔵を残してほしい」という義母の願いを受け、武知氏は妻とともに蔵を継ぐ決断をした。婿入りをきっかけに、家業を継ぐ立場になったという継承のかたちだ。
武知氏自身は「酒づくりの大変さをわかっていなかった」と、継承後の苦労を振り返っている(NIHONMONO、確認日: 2026-10-19)。電機メーカーでの経験とは全く異なる、米・水・麹と向き合う酒造りの現場に、未経験から入っていったことになる。
酒蔵への就職は未経験からでも可能かでは、就職というルートでの蔵人入りを扱っているが、武知氏のケースは「結婚を機に経営者として蔵を継ぐ」という、もう一つの未経験参入のかたちを示す実例といえる。
「京ひな」の由来

酒六酒造の代表銘柄「京ひな」は、初代・酒井繁一郎氏と縁の深かった京都の名僧が、この酒を飲んで賞賛したことに由来する。その日がちょうどひな祭りだったことから名付けられたという。
当初の表記は「京雛」だったが、濁り酒ではなく清酒であることから、濁点のつく「雛」を避けて「京ひな」という表記に変更された経緯がある(酒六酒造公式サイト、NIHONMONO、確認日: 2026-10-19)。
受賞歴:SAKE COMPETITION 2024で金賞

酒六酒造の「内子座 純米吟醸」は、SAKE COMPETITION 2024で8位(金賞)を受賞した。酒六酒造公式サイトおよびsake-times.comの報道によると、これは2015年以来となる金賞受賞だという(確認日: 2026-10-19)。
愛媛県の清酒製造業の規模

経済産業省 経済構造実態調査(2022年、品目編)によると、愛媛県の清酒製造業の産出事業所数は24事業所、出荷金額は16億7,600万円で、データのある45都道府県中35位にとどまる。大規模な産地ではないが、酒六酒造のように創業100年を超える蔵が地域に根を張り、家業承継のかたちで存続している点は、こうした中小規模産地に共通する特徴ともいえる。酒蔵業界全体の統計データは日本酒・酒蔵業界の統計まとめで確認できる。
事業承継で蔵を継ぐのは珍しいことか
酒蔵の世界では、家族以外からの参入は酒造免許の取得方法で解説した通り制度的なハードルが高く、新規の清酒製造免許はほぼ発行されない。そのため、既存の蔵を結婚や事業承継のかたちで引き継ぐことが、業界未経験者が蔵元になる現実的なルートの一つになっている。
同様に既存の免許や蔵を引き継いで酒造りを始めた例としては、後継者不在の蔵から清酒免許を承継した天郷醸造所や、免許移転によって新拠点で酒造りを始めた上川大雪酒造「北緯44度」がある。武知氏のケースは、こうした事業承継型の参入の中でも「婿入りを機に経営者として蔵を継ぐ」というパターンの実例だ。蔵元としてのキャリアパス全般については日本酒の杜氏も参考になる。
よくある質問
Q1: 武知直之氏は酒造りの資格を持っていますか?
本記事執筆時点で公表されている一次情報では、武知氏の酒造関連資格の有無について確認できていない。
Q2: 酒六酒造の「京ひな」はどこで買えますか?
取扱店舗や購入方法については、酒六酒造の公式サイトでの確認が確実だ。
まとめ:酒六酒造のポイント
- 酒六酒造は愛媛県内子町の酒蔵で、1920年の合併創業から1941年の社名変更を経て続く蔵
- 現代表の武知直之氏は東京の電機メーカーでエンジニアをしていた人物で、先代の娘との結婚を機に蔵と関わり、2010年の先代急逝を経て6代目を継承した
- 代表銘柄「京ひな」は、京都の名僧がひな祭りの日に賞賛したことに由来する
- 「内子座 純米吟醸」はSAKE COMPETITION 2024で8位(金賞)を受賞、2015年以来の金賞という
- 愛媛県の清酒製造業は24事業所・出荷金額16億7,600万円で、データのある45都道府県中35位の中小規模産地
酒蔵への未経験参入のルートについては酒蔵への就職ガイド、免許取得の制度面については酒造免許の取得方法も参考にしてほしい。
この記事は蔵人編集部が執筆しました。蔵人 -KURABITO- は日本酒と醸造所の専門メディアです。
詳しくは編集部についてをご覧ください。
参考情報
- NIHONMONO「エンジニアから蔵元へ。異例の転身で『京ひな』の名を受け継ぐ『酒六酒造』武知直之さんの挑戦/愛媛県内子町」(https://nihonmono.jp/article/55392/)確認日: 2026-10-19
- 酒六酒造公式サイト(https://sakaroku-syuzo.co.jp/about/)確認日: 2026-10-19
- sakeworld.jp「酒六酒造」(https://sakeworld.jp/sakebrewery/2403-ehime-sakarokushuzo/)確認日: 2026-10-19
- SAKE TIMES「SAKE COMPETITION 2024 速報」(https://jp.sake-times.com/special/news/sake_sakecompetition_2024_promptreport)確認日: 2026-10-19
- 総務省・経済産業省 経済構造実態調査(2022年、品目編)都道府県別の清酒出荷金額・産出事業所数(e-Stat、https://www.e-stat.go.jp/)確認日: 2026-10-19


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