中和商店とは?後継者不在の老舗蔵をデザイン会社と銀行系ファンドが継承した徳島の蔵元

中和商店とは?後継者不在の老舗蔵をデザイン会社と銀行系ファンドが継承した徳島の蔵元 酒蔵・蔵元

最終更新: 2026-10-27

中和商店(合名会社中和商店)は、徳島県三好市池田町にある酒蔵だ。1802年(享和2年)に刻み煙草製造業として創業し、大正期から酒造業を営んできた200年超の老舗だが、後継者不在の状態にあった。徳島新聞デジタルの報道(2026年10月26日付)によると、2026年10月、徳島市のデザイン会社「Less is design」と阿波銀キャピタル運営の「あわぎんイノベーションファンド」がこの蔵を承継し、伝統の保存とブランド力の向上を目指すことになった。この記事では、中和商店の基本情報と今回の事業承継の経緯、代表銘柄「今小町」の由来を一次情報に基づいて整理する。

中和商店とは?基本情報

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項目 内容
運営会社 合名会社中和商店
所在地 徳島県三好市池田町サラダ1756-2
創業 1802年(享和2年)、刻み煙草製造業として
酒造業への転換 大正15年(1926年)、三代目・中村和右衛門が開始(一部資料では明治期とする記載もあり、転換年の資料間での食い違いは残る)
代表銘柄 今小町(大吟醸・純米)
その他銘柄 和右衛門、穰(ゆたか)
文化財指定 事務所・酒造蔵・仕込蔵・杜氏宿舎・煙突の5棟が国登録有形文化財(2019年12月5日登録)

出典: sake.science系列の蔵元情報サイト、imakomachi.com(中和商店公式)、japanheritage.jp(確認日: 2026-10-27)

2026年10月の事業承継:何が起きたか

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中和商店は後継者不在の状態が続いていたが、2026年10月、徳島市の建築・プロダクトデザイン会社「Less is design」と、阿波銀行の子会社である阿波銀キャピタルが運営する「あわぎんイノベーションファンド」が共同で承継した(徳島新聞デジタル、2026年10月26日付)。

項目 内容
承継前の代表 中村盛彦氏(69歳)→ 承継後は会長に就任
承継後の新代表 堂野彩加氏(三好市のポータルサイト等で観光情報発信に携わってきた人物)
承継の主体 Less is design(徳島市のデザイン会社)、あわぎんイノベーションファンド(阿波銀キャピタル運営)
承継の目的 伝統の保存とブランド力の向上

この承継は単一の報道機関(徳島新聞デジタル)による報道が出典で、記事本文は有料会員限定のため全文を直接確認できていない。承継完了の具体的な日付や契約形態(株式譲渡か事業譲渡かなど)の詳細は、現時点で一次資料から確認できていない。

酒造免許の取得方法で解説した通り、清酒製造免許は酒税法の需給調整要件により原則新規発行されず、新規参入やブランドの継続は既存蔵の事業承継に頼るケースが多い。後継者不在の老舗蔵が外部の担い手に引き継がれた事例としては、天郷醸造所(福岡県、萬年亀酒造から清酒免許そのものを新しい会社へ移転したケース)もある。天郷醸造所のケースは免許を別の新会社へ移すかたちだったのに対し、中和商店は会社自体・ブランドそのものを外部の資本と経営者が引き継ぐかたちであり、事業承継の形態が異なる点が特徴だ。

「今小町」の由来と中和商店の歴史

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中和商店はもともと刻み煙草の製造業として1802年に創業した。たばこ専売制の導入を背景に酒造業へ転換し、大正15年(1926年)に三代目・中村和右衛門が酒造りを始めたとされる(一部資料は転換の時期を異なる年代で記載しており、この点は資料間で一致していない)。

代表銘柄「今小町」の名は、初代・和右衛門の妻「イマ」の名にちなんでつけられたとされる。現在は大吟醸と純米の2種類を中心に、「和右衛門」「穰(ゆたか)」といった別銘柄も展開している。

蔵の事務所・酒造蔵・仕込蔵・杜氏宿舎・煙突の5棟は、明治中期から大正末期にかけて建てられたもので、2019年12月5日に国登録有形文化財として指定された(事務所は昭和32年に改修済み)。酒造りには吉野川上流の水と、池田町の厳しい冬の寒さが活かされているという。

徳島県の清酒業界の規模

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経済産業省 経済構造実態調査(2022年、品目編)によると、徳島県の清酒(濁酒を含む)出荷金額は4億8,700万円で、データのある45都道府県の中で最小規模にとどまる。一方、産出事業所数は14事業所で、データのある48都道府県中36位だった。出荷金額の規模が小さいにもかかわらず一定数の蔵が存続していることから、徳島県には小規模な蔵が点在する産地構造がうかがえる。中和商店のように後継者不在のまま廃業の危機にあった蔵が外部資本によって継続される動きは、こうした小規模産地の蔵を存続させる手段の一つといえそうだ。酒蔵業界全体の統計データは日本酒・酒蔵業界の統計まとめで確認できる。

よくある質問

Q1: 中和商店の酒は今回の承継後も「今小町」として販売されますか?

2026年10月26日時点の報道では、ブランド力の向上を承継の目的としており、ブランド名そのものを変更するという情報は確認できていない。ただし今後の商品展開の詳細は、蔵元の公式発表を個別に確認する必要がある。

Q2: デザイン会社が酒蔵を継承するのは珍しいことですか?

酒造免許を持つ既存の酒蔵を、酒造業以外の業種の企業や投資ファンドが承継する事例は、後継者不在対策の一つとして各地で見られる。中和商店のケースは、地域の建築・デザイン会社と銀行系ファンドが組んで承継した点が特徴的だが、酒蔵業界全体でこの形態がどの程度一般的かは、網羅的な統計では確認できていない。

まとめ:中和商店のポイント

  • 中和商店は徳島県三好市池田町の蔵元で、1802年に刻み煙草製造業として創業し、大正15年(1926年)に酒造業へ転換した200年超の老舗(転換年には資料間で食い違いがある)
  • 代表銘柄「今小町」は初代・和右衛門の妻「イマ」の名が由来
  • 事務所・酒造蔵・仕込蔵・杜氏宿舎・煙突の5棟が2019年に国登録有形文化財に登録
  • 2026年10月、後継者不在のため徳島市のデザイン会社「Less is design」と阿波銀キャピタル運営の「あわぎんイノベーションファンド」が承継し、新代表に堂野彩加氏が就任(旧代表・中村盛彦氏は会長に)
  • 徳島県の清酒出荷金額はデータのある都道府県中最小規模(4億8,700万円、2022年調査)だが、14事業所が存続している

後継者不在の老舗蔵が外部の担い手に引き継がれた別の事例については天郷醸造所、清酒製造免許そのものの取得ルートについては酒造免許の取得方法も参考にしてほしい。

この記事は蔵人編集部が執筆しました。蔵人 -KURABITO- は日本酒と醸造所の専門メディアです。

詳しくは編集部についてをご覧ください。

参考情報

  • 徳島新聞デジタル「後継者不在の酒蔵・中和商店(三好市)を承継 徳島市のデザイン会社と阿波銀キャピタル運営ファンド」(https://www.topics.or.jp/articles/-/1515536)確認日: 2026-10-27(記事本文は有料会員限定のため見出し・検索結果スニペットの範囲で確認)
  • 合名会社中和商店公式サイト「蔵について」(https://www.imakomachi.com/warehouse.php)確認日: 2026-10-27
  • 合名会社中和商店公式サイト(https://www.imakomachi.com/)確認日: 2026-10-27
  • JapanHeritage「中和商店」(https://japanheritage.jp/ja/tokushima/heritage/nakawa-shoten)確認日: 2026-10-27
  • 総務省・経済産業省 経済構造実態調査(2022年、品目編)都道府県別の清酒出荷金額・産出事業所数(e-Stat、https://www.e-stat.go.jp/)確認日: 2026-10-27



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