最終更新: 2026-10-21
秋田県由利本荘市の齋彌酒造店(さいやしゅぞうてん)が醸す「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)」は、2026年10月20日に発表された秋田県清酒品評会で、吟醸酒の部・県産米の部・純米酒の部という3部門すべてで最高賞の知事賞を受賞した。今年新たに純米酒の部が加わり3部門構成になった中での快挙で、ABS秋田放送によれば従来の2部門時代には両部門受賞の例はあったものの、3部門での受賞は前例がないという。この記事では、齋彌酒造店の蔵としての背景と、今回の受賞内容を一次情報に基づいて整理する。
齋彌酒造店とは?基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 株式会社齋彌酒造店 |
| 創業 | 1902年(明治35年) |
| 所在地 | 秋田県由利本荘市石脇字石脇53 |
| 代表銘柄 | 雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ) |
| 蔵の構造 | 傾斜地を利用した「のぼり蔵」。高低差約6mを活かし、精米から搾りまで工程が進むにつれて上から下へ移動する |
| 造りの特色 | 「櫂入れをしない、濾過をしない、加水しない」三無い造り。自社培養酵母を使用 |
齋彌酒造店公式サイトによると、蔵は秋田県由利本荘市石脇地区にあり、藩政時代は旧亀田藩の物流拠点として栄えた土地だ。現存する住宅・店舗・蔵など11棟が国の登録有形文化財に登録されている。蔵の構造は創業当時からの傾斜地をそのまま活かした「のぼり蔵」で、一番上にある精米所に運ばれた米が、工程が進むごとに下へ下へと移動していく独特のつくりになっている。この「のぼり蔵」という呼び名は、東京農業大学教授の小泉武夫氏が命名したものだ。
酒造りの技法としては「櫂入れをしない、濾過をしない、加水しない」という「三無い造り」を掲げ、地元・石脇の湧水と自社培養酵母を用いて醸している。手を加えすぎない分、米や水、発酵管理そのものの質がそのまま酒質に表れる造り方といえる。
秋田県清酒品評会2026:3部門すべてで知事賞

秋田県総合食品研究センターなどが審査に関わる秋田県清酒品評会は、県内蔵元が1年間の造りの成果を競う品評会だ。ABS秋田放送(Yahoo!ニュース配信)によると、2026年は111点の出品があり、2026年10月20日に結果が発表された。
| 部門 | 受賞内容 |
|---|---|
| 吟醸酒の部 | 「雪の茅舎」が知事賞・首席 |
| 秋田県産米の部 | 「雪の茅舎」が知事賞・首席 |
| 純米酒の部(今年新設) | 「雪の茅舎」が知事賞・首席 |
今年の品評会では従来の吟醸酒の部・県産米の部に加えて純米酒の部が新たに設けられ、3部門構成となった。齋彌酒造店はこの3部門すべてで知事賞を受賞し、各部門の首席(トップ)にも選ばれる3冠を達成した。報道によれば、2部門時代には両部門で受賞する例が何度かあったものの、3部門になって以降では前例のない快挙だという。
なぜ評価されたのか:三無い造りという土台
品評会の審査基準そのものは公表資料だけでは詳細を特定できないが、齋彌酒造店の酒造りの背景を踏まえると、今回の3部門制覇は一時的な当たりではなく、蔵の技術の土台が広く評価された結果と見ることができる。「櫂入れをしない、濾過をしない、加水しない」という引き算の造りは、吟醸・県産米・純米という原料や精米歩合の条件が異なる3部門それぞれで、素材の個性をそのまま引き出す方向に働きやすい。実際、同蔵は「仕事の流儀」などのメディアでも、伝説的な杜氏による丁寧な麹づくりや温度管理が紹介されてきた蔵として知られている。
秋田県の清酒業界の規模

経済産業省の経済構造実態調査(2022年、品目編)によると、秋田県の清酒出荷金額は151億7,000万円で、全国的に見ても上位クラスの産地だ。秋田の日本酒蔵元おすすめガイドで紹介しているとおり、県内には37の蔵元・38の酒蔵が稼働しており、良質な米・水、寒冷多雪の気候、山内杜氏の伝統という3つの条件が重なって「酒のくに」と呼ばれてきた土地だ。齋彌酒造店はその秋田を代表する蔵のひとつであり、新政酒造や飛良泉本舗など、全国的に知名度の高い蔵が集まる産地の中での今回の3部門制覇は、産地全体の技術水準の高さを示す出来事でもある。酒蔵業界全体の都道府県別データは日本酒・酒蔵業界の統計まとめで確認できる。
よくある質問
Q1. 「雪の茅舎」はどこで買えますか?
齋彌酒造店の直営店や、日本酒専門の取扱店・百貨店などで購入できる。品評会で評価された銘柄は人気が集中しやすく、在庫状況は店舗によって異なるため、事前に取扱店へ確認するのが確実だ。
Q2. 知事賞と首席の違いは何ですか?
秋田県清酒品評会の報道では、各部門の最高賞が「知事賞」、その中でもトップの成績を「首席」と呼んでいる。齋彌酒造店は2026年、3部門すべてで知事賞を受賞し、各部門の首席にも選ばれたことで3冠達成と報じられた。
まとめ:齋彌酒造店のポイント
- 齋彌酒造店は秋田県由利本荘市で1902年から続く蔵元で、「のぼり蔵」という傾斜地を活かした独特の蔵構造を持つ
- 「櫂入れをしない、濾過をしない、加水しない」三無い造りで「雪の茅舎」を醸している
- 2026年の秋田県清酒品評会では、今年新設の純米酒の部を含む3部門すべてで知事賞・首席を獲得する3冠を達成。3部門構成では前例のない快挙とされる
- 秋田県は清酒出荷金額151億円超の全国上位クラスの産地で、齋彌酒造店はその中核を担う蔵のひとつ
秋田の酒蔵全体については秋田の日本酒蔵元おすすめガイド、杜氏というキャリアに興味を持った方は杜氏になるには?未経験からのロードマップも参考にしてほしい。
この記事は蔵人編集部が執筆しました。蔵人 -KURABITO- は日本酒と醸造所の専門メディアです。
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参考情報
- ABS秋田放送「清酒品評会の結果が発表 齋彌酒造店が3部門すべてで最高賞の知事賞を受賞する快挙 今年は新たに純米酒の部が加わり3部門に 秋田」(Yahoo!ニュース、https://news.yahoo.co.jp/articles/e8bd742c1871053ce466c80539268b5f1330b627)確認日: 2026-10-21
- 齋彌酒造店公式サイト「齋彌酒造店について」(https://www.yukinobosha.jp/aboutus/)確認日: 2026-10-21
- あきた発酵ツーリズム「株式会社齋彌酒造店(雪の茅舎)」(https://hakko.akita-kenmin.jp/kamoshidokoro/349)確認日: 2026-10-21
- 経済産業省 経済構造実態調査(2022年、品目編)都道府県別の清酒出荷金額(e-Stat、https://www.e-stat.go.jp/)確認日: 2026-10-21


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